ビ・ハイア事件にて思うこと。ブラック企業、コーチング、毒親問題。
久々に重い内容を投稿して見ます。
先日、グッディにて放送されたビ・ハイアという会社が提訴されている件。
「これは現代の奴隷契約だ」と弁護士 「パワハラで自殺」女性の遺族らが社長ら提訴 https://t.co/V7MpdwE4zC
— Tomabetchy (@tomabetchy) 2018年10月18日
私はこの番組を見て初めて知りましたが、なんだか自分に被る部分が多くて他人事のように思えませんでした。
もちろん、この企業とも関連者とも全く関わりはありませんが。
自身の体験談から思うことが色々ありました。
まずこの会社で起きたことは、事件だと思っています。
そして、色々な要因が絡んでいる。
もし提訴された方々の言っていることが確かであれば。
自殺してしまった女性は、毒親の元育ったそうです。
そして、ビ・ハイアの社長も毒親の元育ったらしい。
私自身も毒親に育てられた身なので、その場合の弊害や苦しみはある程度理解できる。
さらに、私が新卒で初めて入った会社は、ブラック企業だった。
この会社のような、従業員数10人以下の小さな会社で、社長=会社だった。
アニメ業界と同じく?深夜労働が当たり前にあるような業界。だから、ある意味で世間から見たらブラックな環境だとしても、普通じゃないことが普通だと言われるようなもの。
ちなみにだが、私がいた会社の社長もおそらく毒親の元育っていたような気がしている(社長自身の子供時代の話を聞く限りでは)。
だから、外に漏れにくい状況が作り出されやすい閉塞感をリアルにイメージできる。
ただ確実に違うのは、私はこの会社を辞めたことだ。
なぜなら精神的に限界になり、体調不良になってしまったからだ。当時の私は、毒親問題と向き合って苦しんでいる最中で、精神をきたしかけていた。
今振り返って思うのは、辞めて正解だったと思う。
今は幸せに暮らせているから。
引き寄せの法則ではないけれど、人は過去と同じ経験を目の前に作りやすい。
自分が鬱なら、鬱っぽい人が多くなったり、
毒親育ちだと、同じように家庭に闇を抱えた人と付き合うことが多い。
そして過去に受けた経験(傷ついたりしたこと)を、繰り返すのだ。
そのことに気づく限り。
逆に気づいて自分自身の思考を変えれば、そうはならない。
傷づくことがデフォルトになれば、状況や人を変えて傷つくようになるのだ。
今と過去の自分を比べて、一番違うこと。それは、
「ダメな自分を受け入れる(愛せる)こと」。
私はずっと自分に自信が持てなかった。
習い事で賞を何度も取ったり、人から賞賛されても、心が満たされなかった。
凄い自分は誇らしいけれど、自分自身は好きではなかった。
それは、親から褒められた経験がなく。肉体的な虐待を受け、両親の不仲に巻き込まれたりして、自分の存在意義なんて感じられなかったのだ。
自分を大事にできないことが当たり前だった。
きっと、この件で亡くなってしまった女性も、そう言う苦しみがあったのだと思う。
ただ、これをしっかりと乗り越えられていたのか?と言うと疑問が残る。
そして、それを会社を上げて取り組んだ(しかも外に暴露させる)のは、果たしてどうなのだろうかとも。
毒親問題というのは、非常にデリケートな問題だ。
この会社の社長は、毒親が全て悪いんだ。みたいなことを主張している印象を受ける。
実際は、そうではない。
原因ではあるけれど、乗り越えるべきなのは自分自身である。
いつまでも毒親のせいにしていてはいけない。
しかしながら、毒親で苦しんだ人々は、まず「癒し」が必要なのである。
それはコーチングではないと思う。
私が毒親問題に向き合おうとしたのは、
ブラック企業で生活すらままならない時。何にも人生うまくいかないと思った時。
原因は過去にあるのではないか?と考えたからだ。
そこで、「毒になる親」という本に出会う。
それから毒親についてたくさん調べ、考えた。
毒親との決別方法の一つとして、親と縁を切る方法も紹介していた。
毒親を罵倒して、蹴りをつけるということ。
でも、それって何だか違うのではないかと思った。
他にも解決方法はあると。
もともと、私は親元を離れて一人暮らしで生活をしていたので、
物理的な距離は取れていた。
なので、あとは精神的な距離を取ることが必要だと考えた。
とにかく、過去に起きたことを洗い出して、自分はどれだけ傷ついて、ずっと我慢してきたのか振り返った。
いわゆる、「インナーチャイルドを癒す」という方法。
子供時代の私に対して、親代わりの自分が共感し、癒していく。
「そうだね、大変だったね。辛かったね。」と。
それを思いついた時に繰り返していた。
調べるうちに、コーチングの存在も知った。
けれど自分の勘で、何だかそのアプローチ方法は自分には合っていないと思って深く掘り下げなかった。
それより、心理学を少し勉強したり、精神に関する学問を調べるようになった。
ブラック企業を辞めてからは、お金もなく(超安月給で、ボーナス、残業代は勿論なし)、生活はクレジットカードのリボ払いだった。
それでも、断固として親は頼らなかった。
それでは今までと変わらないから。
親から独立することが、今の自分には大事なんだと思ったから。
そして無職期間が数ヶ月あったが、なんとか就職先が決まった。
体調も快方に向かい、その後数年してさらに転職し、結婚して今に至る。
今はとっても幸せだ。
話は戻るが、、
この会社の社長も、件の女性も、毒親問題から立ち直れていなかったと思う。
特にこの社長は、毒親問題からコーチングというアプローチをしてしまい、捻くれた結果を出してしまった。
性根がかなり捻くれてしまっていると思う。
そういえば、コーチング、心理学、毒親などを調べた際に私が一瞬行き着いたのは・・
「宗教」だった。
どんなものかは忘れたが(忘れたい過去。。)。
この社長のように、「何かに縋りたい」という想いが確かにあった。
正解はきっとどこかにあるはず。
何かが悪いはず。
そこで、この社長にとっての縋る対象が「コーチング」という手法だったのではないか、と。
正直、コーチングに関しては知識がないためなんとも言えないが・・
超ポジティブな自己啓発、やる気があればなんでもできる!みたいなイメージ。。
それが間違いというわけではないが、自己肯定が低い人にそれは逆にダメージな気がした。
そもそも、自分に罪悪感がある(自分がダメな人間だと無意識に思う)ので、さらに自分をいじめる事になる。
例えば、それが自分で自分をコーチングするならまだしも、
会社という自分より立場が上のところからそれを迫られたら・・・と思うと正直ゾッとする。
人は何かを盲信して生きている。
自分の見たいものを見て生きている。
この社長は、「指導」という名の「虐待」を「正義感に基づき」行っていたのではないだろうか。
その行為がエスカレートしても、それが「正義」だ。
虐待をする人はそう思っている気がする。
だって、私の母親に「虐待していたよね?」と聞くと、
「なんでそんなこと言うの!そんなわけない!!!」と怒ったから。
私はしっかりと覚えているのに。
都合の悪いことは忘れてしまっている。
そもそもそこに罪悪感があるのならば、謝るなりなんなりするだろうから。
私がいたブラック会社について話を戻すと、
社長は私のダメな部分をあえて言って、嗤う人だった。
それで私が落ち込むとニヤニヤしていた。
嫌なことが起きると途端にピリピリして、社員に当り散らしたり。
取引先で少し何かがあるだけで、あの会社はダメだ。と憤慨したり。(全然たいしたことないことで、取引を辞めたりする)
社長より早く帰ろうとすると「俺より早く帰るやつはありえない」と言ったり。
有給をとるたびに嫌味を言われる(有給は年に3回しか取れない)。
うちはしっかり社会保険を払っている!給料も悪くない!とアピールしたり。(給料は残業代なし、ボーナスなし。バイトの方が稼げるレベル)
ただ、外面はめちゃくちゃ良かった。
それに、普段は悪い人とは感じなかったし、冗談も言えた。
ブラック企業の社長も人間的な部分がある。
ただし、ヒステリックを起こすように、急に人が変わるようなことがある。
件の社長はその超酷いバージョンだと思った。
きっと感覚が麻痺しまって暴走してしまったんだろう。
だからと言って、していたことは断じて許せないことだ。
この問題に対しては、語り尽くしたいがうまくまとまらない。
けれど、同じような悲劇が起こらないように、
それだけは願いたい。
女性に対しては、ご冥福をお祈り致します。
honya.